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2008年02月20日

「フォーマット戦争」に思いをはせる

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東芝がHD DVDから撤退することが正式に発表されましたが、今回の件はこれまでに繰り返されてきた「フォーマット戦争」の中では、ユーザーにとっては比較的被害が少なく済んで良かったね、という印象です。

●「フォーマット戦争」と聞いて思いをはせるのは

「フォーマット戦争」と聞くと、VHS対ベータ、というのがまず上がるけど、今までにもいろんな「戦争、そして死」がありました。

[MD対DCC]
今やMD自体も消えつつありますが、MDが普及する前にDCC(デジタルコンパクトカセット)という規格と競っていたということを覚えている人はもう少ないのではと思いますが、ソニーの推すMDに対して、松下の推すDCCという規格がありました。アナログのカセットテープと同じサイズで、そこにデジタル記録するという、発表当初からすでに古びていた規格です。MDがランダムアクセスなどの先進性をそなえていたのに対して、操作性はアナログ時代とほとんど変わりがないということで、全くといっていいほど普及せず即死。

[8mm対VHS-C]
ビデオカメラの規格ですが、ソニーの推す8mmビデオに対して、ビクターや松下などのVHS陣営の推すVHS-Cというものがありました。VHSのカセットよりも小型のテープに記録して、VHSカセットアダプターを使うと普通のVHSのビデオデッキで再生ができるという互換性を持っていました。互換性の点では8mmビデオより有利だったものの、VHS規格を単純に小型化したためにテープが短くなり、録画時間が短くなってしまったことや、ソニーのビデオカメラに勢いのある魅力的な製品が多かったので、徐々に死亡。

[LD対VHD]
パイオニア1社の推すLD(レーザーディスク)に対して、東芝やNECや松下など多数のメーカーが推すVHDというものがありました。しかし国内メーカーのほとんどが支持していたにもかかわらず、ビデオディスク市場ではLDに圧倒的な差をつけられて死亡。しかしLD自体もDVDの普及にともない死亡。ちなみにこの時代のビデオディスクはデジタルではなくアナログ記録でした。


「次世代LD」として発売が予定されていた記録型のLD「LD-R」。12センチディスクにデジタル記録するというものでした(※)


LDはカラオケでヒットしたというのもあるけど、VHDに比べてLDのほうが画質が良く、マニアに受けが良かったというのもあります。まあ当時のビデオディスク市場というのは非常に小さかったので、ちょっとした勢いの差が死につながってしまったということだと思いますが。90年代の初めごろは高画質な映画ソフトがLDでたくさん出ていたので、小遣いをはたいてたくさん揃えていた記憶があります。「ブレードランナー」なんかVHSとかLDとかDVDとかで何回買ったかわからんし。

ゲーム機なんかはセガマークIIIとかゲームギアとかジャガーとかPC-FXとかワンダースワンとか3DOとか、語り出すとキリがありませんのでこれくらいで。

※はウソです

●実害は少なかったけど…

昨日の記者会見によると、HD DVDの日本での販売数はプレーヤーが約1万台、レコーダーが約2万台だそうで、流通在庫なども考えると実数はどちらも数千台〜レベルと予測されます。日本の市場規模にとってはほとんど“誤差”と言えるような販売数しかなかったことを考えると、PC以外で専用のプレーヤーを使って実際にHD DVDの映画ソフトを楽しんだり、レコーダーでHD DVDに録画しているユーザーというのはほとんどいないのでは、と思います。

もともと2007年に入ってからは、世の中の趨勢は「ほぼBDで決まり」という見方が拡がっており、HD DVDの勝利を確信して新製品に無条件で飛びつく、というような「空気を読めない」人はいなかったので、ほとんど売れていなかったというのが幸いでした。

でも昨年に「トランスフォーマー」がHD DVDでしか発売されないと決まったときに、ぼくもXbox360用のHD DVDプレーヤー(2万円)を買おうかどうか死ぬほど悩んだけど、確実に「トランスフォーマー専用機」となってしまうので結局DVD版を買ってしまったという経緯があります。すんでのところで踏みとどまれたけど、「トランスフォーマー」のおかげでHD DVDを買ってしまった、という人はけっこう多いんじゃないでしょうか。ただし買ってしまったことは残念だけど、ポジティブに考えれば「幻のアイテム」として後世に伝えることができるので、HD DVD版を買ったほどのマニアであるのなら、これはまたコレクター冥利に尽きるのではと思います。


●今でも空気が読めてない?

会見では「ワーナーの離脱で勝ち目がなくなった」(西田社長)ということをアピールしていたけど、それは全く逆の話で、「ワーナーが離脱して勝ち目がなくなった」のではなく、「勝ち目がなくなったからワーナーが離脱した」というのが正しいはず。なのに東芝は「ワーナーさえ離脱しなければ勝ち目があった」とまだ思ってるのかというKYっぷりですが、これがHD DVDが世の中の支持を得られなかった原因なのかもしれません。

映画スタジオや消費者はちゃんと空気を読んでいたのに、東芝だけが読めていなかった、ということでしょうか。そういえば東芝が陣頭で大旗を掲げて頓挫したものとしては「SED」というものもありました。AV事業で連敗するというのは痛いですね。


●レコーダー事業の今後はどうなる?

ただ、これからが心配なのはHD DVD事業と一心同体であった東芝のレコーダー事業です。「VARDIAシリーズ」は操作性や設計思想に共感してずっと使っている、というユーザーも多いし、そもそも東芝は2001年に「RD-2000」という世界初のHDD&DVDレコーダーを世に出した立役者だったから、それがHD DVDと共に沈んでいくとなってしまうと残念でなりません。会見では「今のところBD搭載の予定は全くない」とのことだし、もし搭載することになったとしても、BDとHD DVDでは録画フォーマットに関する設計思想が全く違うので、ドライブを入れ替えればそれで済むというわけじゃないから、一旦白紙に戻して開発を進めないといけなくなってしまいます。つまり、DVDレコーダー事業に関しては一旦リセットがかかるというわけで、シェアもわずかしかないという厳しい環境の中では、レコーダー事業は現行機で打ち止め、次世代はや〜めた、ということになってもおかしくはありません。

東芝は今まで「いかにHD DVDがBDよりも優れているか」ということをさんざん言ってきたので、今さらBDにします!なんてことは言いづらいとは思うけど、VARDIAの新機種を待ち望んでいる人のために、できるだけ早いBD対応をしてほしいです。


東芝「HD DVD事業の終息について」
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_02/pr_j1903.htm

投稿者 dennou : 2008年02月20日 13:00
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コメント

PS3ユーザーなのでBlu-rayに一本化されるようで安心しました。
ホント早く決着が付いて良かったですよね。
消費者にとっては何のメリットもないですからねぇ。


ちなみにゲームギアとワンダースワン&カラーは持ってました・・・

投稿者 あべっち : 2008年02月21日 17:34

HDD 500G1万円です。
HD,BDは早く決着がついてうれしいが、どうでもいい。
時代遅れでは。

投稿者 じじい2号 : 2008年02月22日 09:56

ブルーレイの映画ソフトをぼちぼち買い始めている身としては
ほんとに助かります。
まあHDDの容量単価がいくら安くなったとしても、
まだ数十GBのHDの映画ソフトを気軽にダウンロード視聴できるような
回線も機器もサービスも始まってませんしね。
当分はディスクメディアでの流通は続くと思いますよ。

投稿者 電脳 : 2008年02月22日 23:10

東芝によるHDDVD敗北の分析(ワーナーのくだり)は、本気でそのように考えているのかは別問題な気が。
HDDVD陣営の盟主である立場上、東芝は弱気になる事そのものが許されていないだけだと思います。

たとえば日本で全く売れていないゲーム機「Xbox360」でも、MS日本法人はこのように述べているわけで。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20080222/1007372/
2年がかりでやっと50万台に届き、現在も週販3,000台前後しか売れていない状況で、
「あと1年で100万台になるだろう」を「言わざるを得ない」のでしょう。

投稿者 閂 : 2008年02月26日 06:13

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