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2006年05月19日
PS3の価格を考える
59,800円(上位モデルは7万円以上?)という、ゲーム機としてはちょっと高すぎるな〜と思ってしまう価格で発表されたプレイステーション3だけど、この価格が意味するところについて考えてみました。
セガサターンの44,800円、PS1の39,800円、PS2の39,800円、Xbox 360の37,900円と、今までゲーム機の“初値”というのはだいたい4万円程度という流れができていました。そこに59,800円という“ビックリ価格”で登場したPS3。この発表があるまでは、次世代機でももちろんPS3が成功すると思われていたけど、これはそう単純にはいかないのではという状況になってきました。
ゲーム機の価格というのは、リリース直後は赤字になることがほとんどで、部品代だけで本体の価格を大きく上回るということが珍しくありません。たとえばXbox 360には部品代だけで5〜6万円くらいかかっていると言われています。それでなんで商売になってるのかというと、一つにはゲームソフト会社からライセンス料を徴収することで、ソフトが売れれば売れるほどハードメーカーも利益が得られるということと、もう一つはゲーム機は同じ性能で5〜10年は稼働するので、将来的にはCPUやメモリなどの部品の調達価格が格段に下がるから、最初は赤字でも最終的にはハードの販売でも利益が見込めるということがあります。ユーザーが増えて順調にソフトが売れれば、長い目で見ると大きな利益になるという仕組みです。
PS3の場合も、単体プレーヤーでも10万円するブルーレイディスクドライブを搭載し、「マルチコア」という複雑なCPUやハードディスクを搭載していたりと、部品代だけでも10万円くらいはするのではと言われています。つまり59,800円という価格も、ハードメーカー側から見ると全く高いというわけではなく、SCEの久多良木社長曰く「PS3はむしろ安いといってもいいくらい」ということになるわけです。
しかしユーザー側から見たときには、「えぇ!? たかがゲーム機が6万もすんのぉ!?」という評価になるわけです。実際にはゲーム機といっても、中身は純粋なコンピューターであって、数十万円するパソコンよりもはるかに性能が高いにもかかわらず、「6万…誰が買うねんそんなもん」と思ってしまうのはなんででしょうか。
●なんで高い(と感じる)のか?
例えば一眼デジカメや液晶テレビやDVDレコーダーで「59,800円」と言えば、「あぁ、けっこう安いね」となるし、同じコンピューターというジャンルで考えても「59,800円のパソコン」といえば「めっちゃ安い!」ということになると思います。ソニーの新製品であるブルーレイドライブ搭載の「VAIO type A」などは市価40万円程度ということで、それから考えると「信じられない安さ」です。
デジタル製品全体でみると「59,800円」という価格は決して高くないし、むしろコンピューターというジャンルで見れば破格の安さなのに、なぜここまで「高い!」と言われるのかというのは、言うまでもなく「ただのゲーム機」として捉えられているからだということにつきると思います。PS2の時に39,800円という、比較的高価だったにもかかわらず大ヒットしたのは、ちょうどVHSからDVDへの過渡期で、「ゲームも出来るDVDプレーヤー」として見ていた人が多かったということがあります。レンタルビデオでもDVDソフトの品揃えが増えてきていた時期で、VHSからDVDへの進化というのはわかりやすい進化だったし、それが格安で楽しめるというのは魅力的だったから、とりあえず本体だけでも買っておこうという人に支えられたというのもあって、「ただのゲーム機」という評価にはならずに大ヒットに繋がったのです。
今回のDVDからハイビジョン対応のブルーレイ(BD)への進化というのは、VHSからDVDへの進化に比べると一般人にはわかりにくく、またそのメリットを受けられる環境というのもかなり限られてきます。ハイビジョン対応テレビを持っていても、「今のDVDじゃ全然ダメだ! こんなんで映画なんて観てられん! ハイビジョンじゃないと目が腐る!」と思っている人はあまりいないんじゃないでしょうか。37型くらいまでのテレビだと、今のDVDでも通常の視聴距離なら十分にキレイだと感じられると思います(まあ許せない人もいるかもしれませんが)。
たしかにハイビジョンの映画は魅力的だけど、高いお金を出して、まだソフトもほとんどないようなBDが見られるということを評価できるという人は、今のところごく限られた人になるはず。BDがいかに将来性があって素晴らしいものだとしても、その将来性に出費するのはなかなか難しいかも。ましてHD DVDとの競争が取り沙汰されている今の段階では、ますますその評価も微妙になってくるのでは。
●「ゲーム機じゃない」ということをアピールできるかが成功のカギ!?
結局はいくらメーカー側が「PS3は将来のエンターテインメントの中心になる存在なので、むしろ安いくらいだ」などと言ってみても、それを判断するのは消費者だから、実際市場に出てみないとこの価格が高かったのか安かったのかはわかりません。ただ他のジャンルの製品を見ても、59,800円もするものが年内に数百万台も売れるということは想像しにくいです。ゲーム機はだいたい1年〜1年半で安くなるものなので、「安くなるのを待って買う」という人も多いけど、立ち上げ時に数百万台単位で売れて、ソフトも多く発売されて…という好循環に入らないと、数万円単位で値下げすることも難しい。さらにコストの大きな部分を占めると思われる高価なBDドライブを搭載していることで、今までのような劇的な値下げは困難な状態にあると思われます。
PS3が成功するには、この59,800円という価格を消費者が「こんなにいろいろできて、この価格は安い!」と思わせるような内容を、ゲーム以外の部分でアピールできるかどうかにかかっています。シンプルなニンテンドーDSがあれだけ大ヒットしていることを考えると、ハードの性能がマニア以外の人にアピールすることはまずないでしょう。「ゲーム機の常識からかけ離れた価格」をつけるなら、消費者から「ゲーム機」として見られたのでは失敗してしまうことになります。言い換えると、「いかにゲーム機として見られないか」というのが、PS3の成功するためのポイントになるんじゃないでしょうか。純然たるゲーム機なのに、「ゲーム機ではない」ということをアピールしないといけない(今までに“ただのゲーム機じゃない!”ことを売りにして、それが命取りになったゲーム機も数知れず)というジレンマをどう解決するかというのが見ものです。
個人的には、いくら電脳といえどもPS3をこの価格で買うことはまずないかな〜と思います。任天堂の「Wii」はぜひ発売日ゲットしていきたいところですが。
[関連記事]
●PS3は11月11日発売、下位モデルで59,800円
投稿者 dennou : 2006年5月19日 18:00
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コメント
>「いかにゲーム機として見られないか」というのが、PS3の成功するためのポイントになるんじゃないでしょうか
逆の意見です。
いかにゲーム機として見られるかが大事だと思います。
PSはゲーム機でメインはゲームです。
投稿者 Anonymous : 2006年5月20日 22:46
その通りです。
ゲーム機が成功するかどうかは、「いかにゲーム機として見られるかどうかが大切」というのは、今までの失敗例や成功例から見ても当然ですよね。
ソニーもそのへんはよくわかってると思います。
>いかにゲーム機として見られるかが大事だと思います。
>PSはゲーム機でメインはゲームです。
全く同意です。価格だけがゲーム機じゃないんです。
一般の人の「ゲーム機に出せる金額」を大幅に超えた価格になってしまったので、よっぽどの付加価値をアピールできないと売れないんじゃないかということです。
あの価格だと、いくらすごいゲームができると宣伝したとしても、それをポンっと買える人は限られてくるのでは。
どんなに高くても買うという人はある程度いると思うので、初年度にそこそこの台数は売れると思うけどね。
要するに「今まで“ただのゲーム機じゃない”ということを売りにして成功したものはないのに、付加価値をアピールしないといけない価格になってしまったPS3は大丈夫なんかいな!?」ということが言いたいわけです。
投稿者 電脳 : 2006年5月21日 16:34
広い価格とかをscrollbarsされたの。
投稿者 BlogPetのさとぬ : 2006年5月22日 11:03
正直高いだけです。
ただのゲーム機じゃない?
ブルーレイ?
それがどれだけの消費者に伝わるでしょうか。
ウンチクたれる前にちゃんと消費者に伝わるようにしてほしいです。
そうでなきゃ高いだけ。
マジで大丈夫なんかいな?
という感じです。
投稿者 消費者 : 2006年9月15日 09:42
任天堂の影響であせっているのではないか思うのですが・・・。
去年撤退したソニーのPDAですが、その理由はおそらく
?@低価格モデルPEG−TJ25が大ヒットするものの価格が低すぎて利益がとれない
(ちなみに販売価格は約2万円)
?A高額機種PEG−VZ90を出して巻き返しを図るが価格が高すぎて売れない
(ちなみに販売価格は約9万5000円)
・・・そのまま撤退
なんだか最近のソニーの失敗例はこのパターンに
なっているのではないかとの気がします。
投稿者 スピリタス : 2006年11月13日 10:15
お初です…
正直、高いですPS3は。
「Wii」は得に欲しいソフトはないけど「なんかほしい」
「PS3」は特に欲しいソフトは、MG4とかあるんだけど「なんかいらない」。
この差を自分なりに(まだまだ高2の頭ですが)考えてみると、斬新性の差かなぁと思いました。BDだのHDDだのあんまり知らない自分にとって、PS3は映像だけの進化で、しかもそれはPS2とあんまり変わらないように見えます。 それに比べてみるとWIIは映像もとより、コントローラーにも凝ってますよね。しかもハードとしては手頃な値段。(どちらもダウンロードを使っているのは評価ですが)
「すごい」=「ほしい」というのは違うんだなと考える人も居るという事をソ○ーさんに気付いてもらいたいです(かなり個人的ですが
投稿者 お侍 : 2006年12月 4日 12:55
