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カイシャの小羊

アメリカで人種を考える

女性初の大統領を狙うヒラリー氏と、黒人初の大統領を狙うオバマ氏との熾烈(しれつ)な争い。アメリカに根強くはびこる人種問題について、考えさせられるこのごろなのである。

2008年アメリカは人種問題再燃中。
女性初大統領を狙うヒラリーと、黒人初大統領を狙うオバマの熾烈な民主党候補争いで、人種問題が浮上しているのだ。
「オバマが黒人じゃなかったら、ここまで頭角を現せてはいなかっただろう」
「オバマは“黒人”を売りにしているが、裕福な家庭に育った白人もどきだ」
などと中傷をしたヒラリーのトップ陣営はクビになった。
オバマと交友関係のある黒人牧師も白人バッシング的発言をしてしまい、オバマもその尻ぬぐいに翻弄(ほんろう)されていた。

大統領候補争いというメディア注目のイベントなゆえ、ぽろりといってしまった一言が大きくとりあげられている。肌の色の違いにこだわりつづけるアメリカ。そんなアメリカに根強くはびこる人種問題について、またまた考えさせられるこのごろである。

わたしはなまりのある英語をしゃべるガイジンとしてアメリカで暮らしている。何年住もうがアメリカ生まれの娘たちのようなきれいな発音でしゃべれるようにはなりやしない。
ガイジンだからバカにされていると思うこともある。RとLの違いのわからない自分の舌をあっかんべーしながら「日本人で悪いか!」とひらきなおっている。
アメリカのみなさんとわたし。生まれた国も違えば肌の色も違う。言葉も文化も違うわたしたち。わかりあうにはお互いの努力が必要である。

しかし、生まれた国も言葉も文化も同じなのに肌の色だけが違うってだけでアメリカにはわかりあおうとしない連中がいる。同じ言葉をしゃべり同じ空気を吸って育ってきている仲間内を、いまだに肌の色でどーのこーのと攻め立てるアメリカってやつがわたしには理解できない。

わたしの知人のアメリカ人はむちゃくちゃ美人でむちゃくちゃ頭がよく腕のいい弁護士をしている。アメリカで生まれ育った生粋のアメリカ人。だけど両親は台湾からの移民。ゆえに彼女のルックスは100%アジア人。彼女は常に自分が“マイノリティー”だと赤の他人に思い知らされ暮らしてきたという。
台湾になんて行ったこともないのに、言葉だって英語が母国語なのに(LもRもきれいに発音できる!!)、なぜ人は肌の色だけで中味を判断しようとするのだろう…と幼いころから悩んでいたという。彼女のように、肌の色は黄色でも中味は白人と同じようなアジア系アメリカ人のことを「バナナ」などというスラングまでこの国にはある。
まわりになじみたい、認められたい、と、だからマイノリティーの人々は努力をし成功しているのかもしれない。また反対に、まわりになじめない、認められない、と早くに挫折をし道をはずしてしまう人々も多いのであろう。人種のるつぼアメリカって、そんな人種問題のはびこる国なのである。

そんな国で肌の色に敏感に暮らすわたしたち。
オバマが大統領になってこけたら「やっぱり黒人はだめだ」といわれるに違いない。
ブッシュがどんなにふぬけでも「やっぱり白人はだめだ」なんて誰もいわないくせに。
マイノリティーのみなさんが表舞台に立ったとき、彼らは自分だけでなく自分と同じ肌の色の人々の運命まで任せられているようなもの。
わたしの美人弁護士友人が大統領になってこけたら「やっぱりアジア人はだめだ」ってなるんだろうな。ふざけてるよね。

いつもはポジティブで前向きなアメリカ人が、いつまでも後ろ向きにくらいついているのが人種問題だ。日本のみなさんにも悩めるアメリカの姿を理解していただきたい。
そういった問題があることを理解せず、白人気取りでアメリカンな生活を楽しんでいる留学生を目撃する。しかし、「旅の恥はかきすて」的な奔放すぎる生活ぶりが、同じ肌の色をしているアジアのみなさんの評判をもさげることを意識してほしいものである。

日本人がすぐ口にする「国際化」。
人種といったセンシティブな問題に敏感に対応し、相手の肌の色などにとらわれず中味をみぬく目をもつことが第一だ!…とわたしは大きな声でいいたいです。
(うわあ、今回すごいまじめ〜)

いじりめぐみさん [情報掲載日:2008.06/11 10:00]  | コメント (2) | トラックバック (0)

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kako
2008.06/11 16:07

私はアメリカ南部で小学校期を過ごしました。
とても田舎でしたが、私にとっては第2の故郷です。
でも、恐らくどの都市より人種間には深刻な溝がありました。

もちろんそんな人たちばかりではないのですが一部の白人、黒人から私たちの住んでいた家のドアにトマトとか投げつけられていたりしました。知人の家ではドアに大きくペンキで「JAP GO HOME」と書かれていたそうです。当時アメリカで日本製品の進出が目覚しいのもあり学校の授業では「(もともとアメリカで発明されたものを真似て進出してきた日本製品と同じように)日本はカンニングする(Copycat)」という理由で100点を取っても正当に評価されない事もありました。

ある日、算数のテストでクラスで私だけ100点を取りました。黒人の先生だったのですがその先生は誰にでも平等で、私を褒めてくれたのですが、休み時間に「秀才」の白人の女の子が私に近づき、「何であんたみたいなイエローに負けなきゃいけないの」って吐き捨てられたのを今でも覚えています。

イエローである私と友達だというだけで仲間はずれにされた白人の友達もいます。

ある意味アメリカ社会の裏側をまざまざと見せられたと思います。子供ながら本当につらい思いを沢山したので、今でも住みたいとも、学びに行きたいとも全然思いません。

私もアメリカに日系3世の友達がいますが、ある日ポツっとこうつぶやいたのが忘れられません:
「帰る国があるのは本当に幸せな事だよ、俺も日本人なのに日本に”帰る"事は永遠にできないんだ」

中身を見て人間性を評価するだけでは済ませられない現実がある。
それもひっくるめて「アメリカ合衆国」なんだと思います。

りりあん
2008.06/16 09:23

ヒラリーさん、敗北宣言をしましたね。
選挙戦の間、いろいろな場面で
女性差別の問題があったとか。
自由の国アメリカでも、女性差別は
まだまだ健在なのですね。

Kakoさんの体験談にもびっくりです。
長年差別されてきたものが、急になくなるなんて
ありえないんですね。
人の心にしみついた意識って、簡単に変えられないのだな、と思いました。

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執筆者プロフィール

いじりめぐみさん

 学生時代は、ずっとバスケットボール部だったといういじりさんは、スラリと長身の会社社長&2児のママ。シアトルの自宅には友達を呼んでパーティーをするのが大好きなのだそう。お酒も相当強いというウワサ。子育て、海外留学、転職など、経験を踏まえて教えてくれます。ちょっと弱気になってしまったとき、パワーを与えてくれるよ。

プロフィール
89年から96年まで大手広告会社でCMプランナーとして勤務。93年にアメリカ人と結婚し、現在シアトル在住。専業主婦、子守り、シアトルの日本語新聞コラムニスト、ベンチャー会社の副社長…、新天地でいろいろチャレンジし、自分探しをしながら落ち着いた先が、“世の中をいじる”をモットーに自宅の一室に設立した「IJIRIYA USA」。日本関連企業へのマーケティングコンサルティングのほか、クリエーティブハウスとして企画立案、出版、インターネット事業に取り組んでいる。現在11歳と6歳児の母親。
★著書:「デカくて悪いか!」(角川文庫) 「デブで悪いか!」(角川文庫)

いじりさんの主催するウェブサイト
「Go Feisty!」

http://www.gofeisty.com

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