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海外に行って、日本のことを聞かれて答えに困った、という経験、みなさんにもありませんか? 真の国際人になるためには英会話ができるだけではダメなんです。
つい先日、数学者の藤原正彦さんの「国家の品格」(新潮新書)という本を読みました。このところ、一般教養としての新書に読みやすいものが多く出版されています。バッグに入れて持ち歩くにも、コンパクトサイズなので便利です。そして、何よりもお値段が手ごろなのがうれしい限りです。
この「国家の品格」の内容については、賛否両論いろいろとあると思いますが、「なるほど、そうだよね」と感じる部分がいくつかありました。
そのひとつに、国際人についてのくだりがあります。いくら英語を学んでも国際人にはなれない。国際的に通用するには、表現する内容を整えることが重要だと。
つまり英語がいくらできても、日本の文化や歴史について語ることができなければ、国際人とはいえないということなのです。
私の幼なじみが、高校生のころにアメリカに留学し、その後もずっとアメリカに住んでいるのですが、大学生のころ、わが家に「ねえ、歌舞伎について教えて」と国際電話がかかってきたことがあります。何でも、アメリカで歌舞伎の公演があって、大学の友人と一緒に見に行ったのはいいのですが、歌舞伎について矢継ぎ早に質問され、何にも答えられなかったと…。もちろん、日本に住んでいる私も、情けないことに、質問には全く答えられませんでしたが。
確かに、私たちが外国人に出会っても、その国のことをいろいろと質問したくなります。そんなとき、きちんと答えてくれる人であれば、「教養が高い」ということになり、そうでなければ「自分の育った国のことも知らないの?」とマイナスの評価を下すということがあります。
私も遅ればせながら、10年くらい前から、ちょっとばかり茶の湯のお稽古なんぞをしています。お茶というと堅苦しい作法ばかりが強調されていますが、なぜその作法があるのか…ということを探っていくと、日本の奥深い文化や日本人の知恵を知ることができます。
そうそう、正式な茶懐石の席では、お酒がいきなり出て、「乾杯」なんてことはしません。お酒はご飯をちょっといただいてからなんです。いきなりいただくと、胃に悪いという先人の知恵なのかもしれません。
英会話を学ぶことも大切ですが、それと同時に真の国際人になるために、あなたも日本について学んでみませんか?
そうそう、前述の幼なじみはその後アメリカにいながら、ずいぶんと日本のことを勉強したようです。たまに届く手紙には、私なんぞが忘れかけたような、美しい日本語が並んでいて、驚くばかりです。まさに国際人なのでしょうね。
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