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日本で一番元気!といわれている名古屋経済の今とこれから
今回のテーマ
 私が赴任している名古屋は日本で一番元気なところといわれています。でも年明け以降は株価の急落に原油価格上昇と濃霧がたれこめて、視界不良…。日本の景気はこれからどうなるのでしょうか。

 名古屋に親せきや知人がいらっしゃる方はご存じでしょう。この地がどんどん発展していることを。名古屋駅前にはJRセントラルタワーズやミッドランド スクエアなどの超高層ビルが林立しています。

 昔から倹約と無借金を美風とする東海地区のサラリーマン世帯の純貯蓄額は、総務省の家計調査を見ると828万円で、関東の693万円、関西の619万円を大きく引き離しています。だから小金持ちが多くて雑誌には“名古屋嬢”や“お嬢奥さん”の華やかなライフスタイルの特集が組まれ、市内にはルイ・ヴィトンの路面店が5つも。土地や家などの固定資産が豊かで地価も安いから結婚しても実家の近くに家を建て、棟上げ式に屋根からばらまくモチや駄菓子の平均費用が一説によると50万円。普段は質素にしていても「やるときゃやるでね」の土地柄なんですよ。

 元気なこの地方をけん引しているのは自動車や航空機、陶磁器などの製造業です。少し前までは円安で輸出が絶好調。各メーカーは慢性的な人手不足でブラジルや東南アジアからも人を集めてフル稼働。職があるから人が集まり、人が集まるから消費や投資も伸びたのです。

 ところが、年が明けてから先行きは一気に視界不良に。きっかけは米国のサブプライムローン問題です。米国の金融機関は住宅バブルを背景に低所得者層にどんどんお金を貸し込んでいたのですが、バブルがはじけて回収困難に。株価が急落し、多くの投資家が資金を原油などの商品相場に回したものだから、今度は原油や穀物の値段が高騰。ガソリンや灯油だけでなく、モノの値段も高騰。それに付随するサービスのコストも上がりはじめています。

 中部地方の製造業でも原材料費の値段が上がって経費を圧迫。為替は円高基調に転じて頼みの輸出にも黄信号がともりはじめました。その影響は足腰の弱い中小企業にジワジワと及んでいます。日本のど真ん中、名古屋の元気は日本の元気。なんとか流れを断ち切って霧を晴らしてほしいものです。

産経新聞編集委員・名古屋特派員 早坂礼子さん
産経新聞経済部で経済官庁や各業界を20年あまり担当。今年8月から現職
[情報掲載日:2008.2/6]