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温室効果ガスも、いまやビジネスの対象に!
今回のテーマ
 今年の夏は暑かったですね。あんなに暑いと地球の温暖化が一段と懸念されます。この温暖化の元凶といわれる温室効果ガスの削減にからんで「排出権取引ビジネス」が注目されています。

 1997年、実に8年がかりの交渉の末、二酸化炭素(CO2)やフロンなど温室効果ガスの削減ルールを決めた京都議定書が採択されました。先進国から排出されるガスを、2012年までに1990年と比べて5%減らそうというもの。

 削減目標は欧州連合(EU)が8%、日本が6%。だけど経済活動が活発な先進国で排出を削減するのはそう簡単ではありません。1990年の日本の排出量は12億3700万トンで、6%削減なら11億6300万トンだったのですが、2003年の排出量は13億3600万トンと逆に増えてしまいました。

 でもご安心。抜け道があるのです。それは「自国でガスを減らすことが難しい場合は、他国で削減に協力すれば、その分はその国が減らしたことにしよう」というルール。「京都メカニズム」と呼ばれています。例えるなら使い切れない有給休暇を持っている人がその休暇をほしい人に売ってあげる、ということですね。

 「排出権取引ビジネス」はこのメカニズムを応用したもの。一般的なのは大手商社などが途上国で風力発電や、メタンガスの発生を抑えるごみ処理施設など、ガスの削減につながるプロジェクトを立ち上げ、得られる効果を“排出権”として、事業の性質上どうしても温室効果ガスを排出してしまう先進国の電力や鉄鋼業界に売る方法です。例えば、いまCO2の削減量の相場は1トンで500円前後。300万トン減らせば約15億円の排出権が生じるわけです。

 市場規模は2005年で約4000億円、将来は20兆円にもなると見込まれています。2002年にはイギリスで、2003年にはアメリカでも排出権の取引を扱う「排出権取引所」が出現。今秋、銀行法の施行規則が改正されて金融機関にも排出権の仲介が認められる予定で、いずれ日本でも開設されるでしょう。

 この新ビジネスには途上国の雇用を生み出し、経済発展を促すメリットもあります。もちろん、こまめに電気を消すなど身近なエコ意識も忘れたくないものですが。

産経新聞編集委員・名古屋特派員 早坂礼子さん
産経新聞経済部で経済官庁や各業界を20年あまり担当。今年8月から現職
[情報掲載日:2007.9/26]