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経済のニュースをわかりやすく説明
“訪日外国人誘致大作戦”を展開中
外国人観光客増加の背景とは?
今回のテーマ
 電車のなかで日本語ではない言葉を聞くことが多くなりました。街なかでも外国人の姿を見かけることが少なくありません。政府が“訪日外国人誘致大作戦”を展開中だということを知っていました?

 2006年に海外旅行に出た日本人は約1754万人。為替が円安傾向になって以前より旅行費用がかさむこともあって前年比の伸び率は0.8%と低迷しています。逆に昨年日本を訪ねた外国人は約700万人。数は海外渡航者より少ないのですが、伸び率は前年比9%と高い伸び。円安は外国人にとって日本旅行の追い風で、とりわけ経済発展が著しい中国からの渡航者が増えているようです。

 これでエビス顔なのが政府のお役人。訪日外国人の数を「2010年には1000万人」に増やす「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を2001年から実施したものの、9.11に発生した米中枢同時多発テロなどの影響で当初は年間500万人前後と伸び悩み、「達成困難か」などと茶化されていたからです。このまま年8〜9%の勢いで伸び続ければ、目標は十分達成可能かも。

 このキャンペーンは小泉前首相が打ち出した国家戦略です。当時の日本は不況に悩んでいましたから、外国人に日本に来てお金を落としてもらおうと「観光」に目をつけたのです。旅に出るとホテルや交通機関のほかに、買い物をしたり宅配便を依頼したりとお金を使います。またリゾート建設用に不動産を売り買いするなど国内への波及効果も期待できます。経済効果に国際交流や地域振興と一石三鳥を狙ったのでした。

 でも、量は伸びているものの質の点ではまだまだ課題が多いようです。外国の航空会社からは空港の駐機料金が高くて発着枠も少ないとブーイングが出ているし、道路標識や駅名などの外国語併記も緒についたばかり。料金の安さを追求するあまり、安宿でサービスも悪い訪日ツアーの粗製乱造も指摘されています。

 観光とは「光を観る」こと。それは名所旧跡を訪ねるだけでなく、日本の良いところを見てもらうことでもあります。日本にはアニメやゲームのほかに美しい自然や文化の習慣もありますね。わざわざ日本を訪ねてくれた外国の人たちに良いイメージを持ってもらいたいものです。

産経新聞編集委員・名古屋特派員 早坂礼子さん
産経新聞経済部で経済官庁や各業界を20年あまり担当。今年8月から現職
[情報掲載日:2007.8/29]