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次世代DVD戦争って何?
今回のテーマ
2月下旬、東芝は「HD DVD」事業から完全撤退することを決めました。これで次世代DVDは「ブルーレイ・ディスク」(BD)規格に1本化されることになります。どんな意味があるのでしょう?

 映像をDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)に録画して再生するDVDレコーダー・プレーヤーはご存じですね。ビデオテープに録画するアナログ方式より簡単で保存も手軽なため急速に普及しました。そこでメーカーは1枚のディスクにもっと多くの情報を保存できる「光ディスク」の開発競争に着手。いまから5〜6年前、東芝はHD DVDを、ソニーはブルーレイ・ディスク(BD)というしくみを独自に開発したのです。ソニーは松下電器産業やシャープなどと手を組み、東芝はNECと提携して市場に打って出ました。これが次世代DVD戦争です。

 ソニーは昭和50年代に家庭用ビデオテープの規格「ベータ」を開発し、ビクターの「VHS」と激しい競争をしたことがありますが、ユーザーの取り込みに失敗して敗退。この経験を糧に次世代DVDでは早くから多数のメーカーと手を組んで背後を固め、BDを使った映像ソフトの提供にも力を入れてきました。その結果、昨年末の時点で次世代DVDのシェアは、ソニー59.6%、パナソニック27.0%、シャープ9.6%。BD陣営が計96%以上を占め、東芝のHD DVDはわずか3.8%になっていたのです。

 東芝の撤退で業界は今年の次世代DVDの市場規模が約200万台上乗せされ700万台程度に膨らむと意気込んでいます。規格統一で消費者の買い控えが解消され、HD DVDユーザーからの買い換え需要も期待できるからです。でも、実はDVD市場全体に占める次世代型の割合は2割程度で、残りの8割は“普通の”DVDなのです。いくら大容量で高機能でも次世代型は高額。旧型なら1台1万円前後から買えるし、これで十分と思う人も多いようです。

 いずれBDに代わる新技術も開発されてまた新たな規格争いが始まるでしょう。技術開発は日本の活力。大いにしのぎを削ってほしいものです。でも消費者はメーカーの宣伝文句や論理に踊らされてはなりません。よく調べて納得して自分に必要な機種を買いたいものですね。

産経新聞編集委員・名古屋特派員 早坂礼子さん
産経新聞経済部で経済官庁や各業界を20年あまり担当。今年8月から現職
[情報掲載日:2008.4/2]