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デキる女の仕事術
●今月のテーマ●
女性視点を知る
違う価値観の相手とよりよい関係を築くには

客観的な視点をもって冷静に分析する習慣を

 日本の企業は、まだまだ男性中心のところが多いですよね。しかしここ最近、女性の活用、女性視点のマーケティングに注目が集まるように。女性視点を生かしながら、価値観の違う人ともよい関係を築く方法を、木田理恵さんに聞きました。 

取材・文/渡邊良子

女性は相手と共通項を探して
共感しあいたい傾向が

 「消費行動の決定権を握っているのは女性。その意味でも、女性視点を知ってマーケティングに生かそうという企業は増えています」と木田理恵さん。女性特有の視点とは、どんなものなのでしょう。

 「一般論として、男性が成果主義なのに対し、女性は、プロセスや気配りを重視する傾向があります。だから、手段を選ばず、成果に向かって一直線という男性のやり方に反発を覚えることも」

 また、女性は五感に優れ、理屈では割り切れない自分の感情で物事を決定することも多いとか。「例えば喫茶店に入るとき。男性はコーヒーが飲めればどこでもいいや、で店を選ぶとしても、女性は店やスタッフの雰囲気を重視します。自分の好き・嫌いの感覚を大事にするところがあるんですね」

 女性は共通の話題で共感しあいたいというのも特徴だそう。「女性同士で会話をしていると、“かわいい”という単語が出てきますよね。実際、“かわいい”の尺度は人それぞれ。でも、“かわいい”と共感しあいたいんです。初対面の相手とでも、共通項を探し出してすぐに仲良くなれる。男性だとこうはいきません」

客観的で冷静な男性型のアプローチも必要

 また、女性は相手の表情やしぐさから、相手の感情を「察する」ことも得意だそう。「よくいわれることですが、女性は感情が豊か。だから、相手の感情も敏感に感じ取り、気配りができるんです」

 ただ、感情に流されやすく主観的なものの見方に陥りやすい傾向も。「客観的に物事をとらえて、どうしてそうなのか、冷静に分析するのが苦手かもしれません」

 そんな女性視点を理解した上で、男性中心の職場で、自分の思いをスムーズに伝えるためには、男性型のアプローチを身につけることも大切、と木田さんは言います。

 「男性はまず成果を求めますから、プレゼンなどでは、“こうすることによって、会社にどんな利益をもたらすのか”という結論を、最初に示したほうがよいでしょう。また、アンケートや書籍などの事例やデータを引用して、自分の主観ではなく、客観的な裏付けに基づいた提案であるというアピールも必要だと思います」

 女性は、人からよく見られたいという思いが強いために、つい、言い方があいまいになりがちだとか。「確かに、気遣いも大切。でも、いつ、何を、どのように、という指示や命令を明確に伝えるべき場面もあります。TPOに応じた発言を工夫して」

 木田さん自身は、あまり男女差を意識することはないそう。「性別だけでなく、人種、年齢、ライフスタイルによって、価値観はみんな違います。うまく相手と理解しあいたいと思ったら、相手に合わせてコミュニケーションの手法を変えることも大事。自分のことを分かってもらいたければ、相手にも興味をもつ。お互いの違いを知ることが、よりよい関係づくりの第一歩だと思います」

木田理恵さんがすすめる
女性が身に付けたい男性型のアプローチ
3つのポイント
1. 結論を最初に。その提案で、どんな利益が生まれるのかを最初に示す
2. 客観的な事実を示す。アンケートのデータや書籍の事例など、裏付けをしっかり
3. 指示や命令を明確に。いつ、何を、どのように、など5W1Hを意識した伝達を

今月の達人

木田理恵(きだ・りえ)さん

木田理恵
(きだ・りえ)さん

1969年生まれ。商業コンサルティング、SPプランニング会社を経て、現在、女性市場マーケティングのパイオニア、株式会社ハー・ストーリィでチーフプロデューサーを務める。女性ならではの視点と客観的な分析・提案を生かし、これまでに数々の女性向け消費財の商品企画、セールスプロモーションを手がける。自身が企画し、講師を務める「女性マーケッター養成講座」では、女性の発想や企画力、プレゼンテーション力を高め、企業の業績に貢献する人材の育成を行っている。著書に「彼女があのテレビを買ったワケ」があり、女性の購買心理と女性の心をつかむ8つのキーワードについて詳しく解説している

木田理恵さんの
女力アップの秘けつ
ダイビング

 年に5〜6回は沖縄の海に潜るという木田さん。「人前で話す仕事をしていると、どうしてもアウトプットが多くなります。海は、そんな自分をリセットしてくれます。海の中に潜っていると、大きな自然に抱かれているような感じで、開放された気分になる」と言います。下の写真は、木田さんがウミガメと一緒に泳いで撮影したもの。

木田理恵さんの女力アップの秘けつ ダイビング
ョッピング

 「仕事柄かもしれませんが、ショッピングに出かけて、街や人を観察するのが好きですね」と木田さん。週末に出かけるスーパーでは、棚に並んでいる商品や売り場のレイアウトなどをチェックするそう。「週ごとに変化があります。それを記憶して、どうしてだろうと考えることが、仕事に生きている部分もありますね」

を描く

 小さいころから絵を描くのが好きだった木田さん。今でも、旅先で2時間ぐらいスケッチすることがあるとか。「絵を描く時間は、どんな色をのせようかとか、どんな形をしているんだろうとか、そのことだけに集中して、無心になれる。それに、景色や風物をじっくり見るので、旅の思い出がより鮮明に残るんです」

ちゃん

 現在、妊娠6カ月の木田さん。「2週間ぐらいで、自分の体が目まぐるしく変化します。物事の感じ方も変わりましたね」と言います。「マーケティングの仕事でも、今までは、母親の気持ちというのは想像するしかなかった。でも、これからは主体的に母性を感じることができる。いろんな意味で楽しみです」

[情報掲載日:2008.7/16]