大人の女が綴るセクシュアリティ『シロツメクサ、アカツメクサ』

ミステリー]著者:森 奈津子 出版社:光文社(光文社文庫)

三つ子の美少女たちの内面に渦巻く暗い感情のもつれが引き起こす悲劇を描く表題作ほか、九つの美しく妖しいお話たち。


大人の女である森 奈津子が、美しく的確な文章で「妖し」の世界を綴っています。
どのお話も少しエロティック。
少女や少年が主人公のお話もあるけれど、大人の女に読んでほしい一冊です。


「一九七七年の夏休み」
「一郎と一馬」
「美少女復活」
「カンヅメ」
「翼人たち」
「過去の女」
「グラスの中の世界一周」
「シロツメクサ、アカツメクサ」
「語る石」


九つのお話はすべて雑誌やアンソロジーでの初掲出となっています。
私は「翼人たち」だけ読んだことがありました。
この作品も『エロティシズム12幻想』というアンソロジーでの掲出でした。
エロといってもエロス中心ではなく、エロスの香りつきの幻想集といった感じのアンソロジーでした。
レズビアンを扱った作品で、ドキッとさせられたことが記憶に残っていました。


でも、今回一番印象的だったのは表題作である「シロツメクサ、アカツメクサ」です。
劣等感と優越感とがないまぜになった少女たちの感情の吐露が恐ろしくもあり、悲しくもあり・・・。
なんともいえない読了感があります。


そして、この本の解説は文芸評論家の笹川吉晴(ささがわ よしはる)氏。
なんと、彼とこまったちゃん。は小学校・中学校・高校の同窓生。
最後に顔を見たのは、お互いが母校(高校)に教育実習の申し込みに行った大学時代。
結局、彼も私も母校での教育実習はかなわなかったのですが・・・(大人の事情)。
地味な高校なので、彼はフジテレビの笠井信輔アナと並んで出世頭の一人です。
彼が解説を書いているとは知らずに購入したのですが、小難しい単語選びが文芸評論家(ミステリーやホラーが主なお仕事のようです)らしくて、読みでのある解説でした。
がんばってるなー。ちょっと悔しいかも(笑)


*本作は、広義の「ミステリー」と分類させていただきました(こまったちゃん。)

こまったちゃん。 | 10/27 22:18 | コメント (0) | トラックバック このエントリーを含むはてなブックマーク
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