可憐な花が秘める思い みずみずしい連作短篇集

[シティリビングからの課題図書]著者:豊島ミホ 出版社:双葉社

 ヒマワリで遊び、コスモスに恋をし、椿に涙して、桜の微笑みに頰笑む—。4作品で構成される連作短編集は、気鋭の作家・豊島ミホの最新作。四季を彩る花とともに描かれ、みずみずしい青春時代の感覚がよみがえってくるよう。
 「サマバケ96」は、私と全くタイプの違うアンナとの夏の出来事。中学3年の夏休みが終わるのは、枯れたヒマワリのように切なくて。
 さらに、ふらふらと生きる19歳の私とカラスに声をかけるちょっと変わったおじさんとの出会いから始まる「コスモスと逃亡者」、祖父との交流を描く「椿の葉に雪の積もる音がする」、僕と桜の木と彼女のカンケイの「僕と桜と五つの春」と、作品が続きます。目を閉じ、耳を澄ませば、可憐な花の囁きが聞こえてきそう。力強く生きようとする意志とともに。

Citywaveスタッフ | 04/21 09:48 | コメント (0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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