医師の現状『ノーフォールト』

小説]著者:岡井 崇 出版社:早川書房

随分考えた末にやはり紹介する事にしました。

迷った理由としては、小説で
扱っている題材が、産科・婦人科の
医療裁判と過酷な勤務の現状の為です。

同じ図書ブロガーのタナさんは現在、
一つの命を抱えて頑張っている最中なので、
もしも、この本を読んで不安になったり
嫌な思いをしたらどうしよう…
このBook caféを見てくれている方の中にも
同じようにお産を控えている人がいるかもしれない…


そう思うとなかなか紹介出来ませんでした。


ここで紹介する事に踏み切ったのは、
City wave読者層は女性が多いはずなので、
産婦人科とは一番大切な事で関わりがあるはず…
産科・婦人科の医師が減少している背景には
何があるのか知っておくべきではないかな、
と考えたからです。


読んでいて緊迫した医師のやり取りに
こんなに心臓がバクバクしたり、
やり場の無い悲しみに襲われた物語は久しぶりです。
出てくる登場人物、
全ての医者や患者が頑張っていて
それでも防ぐ事が出来ない不幸な出来事には
胸の潰れる思いでした。


色々な物語を読みなれている方には
展開がつまらなく思える部分もあるかもしれませんが、
現役の産婦人科教授が書いた(!)としては
本当に驚くほど興味深い物語でした。


テレビ番組でも取りあげられるようになりましたが、
一週間に2日、3日と36時間勤務の当直をこなし、
大学病院の安い給料を賄う為に提携病院でアルバイトをし、
他の科と比べると3倍の訴訟率…。
過酷な労働に産婦人科医師は減って更に勤務の悪循環がおこる。
物語の中にはそんな現実も盛り込まれています。

無過失補償制度が日本に導入され
事故の被害者が医療過誤、医療災害を問わず
補償が受けられる日が来る事を本当に望みます。

この本を読まなければ、そんな制度が
検討されている事すら知らないままでした。


いつか私もお世話になる日が来たら、
お産に関わる事に誇りをもっている
奈智先生のようなやさしい先生に出会えますように…。

トリッピー | 06/09 22:51 | コメント (3) このエントリーを含むはてなブックマーク
http://www.citywave.com/book/2007/06/post_173.html

コメント

この本読んでみたい!
トリッピーさんの文章読んでると
読むのが怖いけど…
怖いもの見たさ??

 投稿者タナ :2007年06月11日 20:25

>タナさん

もちろん読んで
欲しい本なのだけど…

内容が内容だけに、
今はあまり気が進まないな…(__;)
出産後に読んで欲しいかなぁ…

 投稿者トリッピー :2007年06月11日 20:41

始めまして。
この本、読みました!
私も病院で働いていますが、現場の緊迫した状況などがものすごくリアルに書かれてます。
確かにお産をひかえた方は、終わってから読んだ方がいいかも…。
でも、この作者は阪神ファンなんですね。
ところどころで阪神の選手を思わせる名前の人物が登場します。阪神ファンの方が読むとちょっと笑えるかも?(笑)

 投稿者かおりん :2007年08月07日 21:23

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