誰が悪いのだろう『悪人』

小説]著者:吉田修一 出版社:朝日新聞社

殺人事件の被害者の女性と犯人の男の
やりとりから何があったのか?という展開を見せる物語なのですが、

これが、正直な人間模様かも…と思わせる
見栄からウソをつく女性の身勝手さと
やりたいだけの男の身勝手さに
嫌悪感を覚えながら読んでいました。

ところが、
物語の後半部分から、展開が変わってきて
タイトルの『悪人』という言葉が気になり始めるのです。

登場人物の皆が自分勝手で悪人…
そう思うものの人間の本音かもしれない…
誰もが適度に悪くて、
同情など出来ないけれど
でも誰も悪人ではない…
悪人って何だろう…?

出会い系での出会いが物語の中に登場するのですが
本気で誰かに会いたかったと告げる登場人物の言葉は
誰もが持ちうる孤独なんじゃないかな…?
なんて、すっかり感情移入してしまう…。

思いがけず、
物語の最後は悲しいほどの純愛に発展するのだけど
同情も共感もできないという…。
そんな、せつない後読感なのは、
登場人物のみんながそれぞれに寂しい気持ちを抱えていていて、
どこかで見たニュースの殺人事件の裏にも
こんな悲しい物語があったかもしれないと感じるからかも…。

トリッピー | 06/01 07:54 | コメント (1) このエントリーを含むはてなブックマーク
http://www.citywave.com/book/2007/06/post_163.html

コメント

最近の書評で、
吉田修一最高傑作なんて、評しているのもあったりして、
ちょっと気になっていた本でした。
トリッピーさんのオススメとあらば、
読んでみます。

 投稿者もちまき :2007年06月09日 00:10

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